永く青い季節 〜十年愛〜



彼との一年間を思い出しながら、暫くベンチに座っていた。
梨絵は何も言わず、ただ私の目線の先を見ていた。



辺りがだんだん薄暗くなって来ると、遊んでいた子ども達も、犬の散歩や、ジョギングをしていた人達も、徐々に減って行った。



梨絵が大きく息をして、そっと私の肩を抱く。
それを合図に、私の涙は堰を切ったように溢れ出した。
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