永く青い季節 〜十年愛〜
「あれは光井が勝手に…。俺そんなこと、一言も言ってないんだけど」
彼が苦笑いをしてそう言った。
そっか…
また光井先輩の優しいお節介だったんだ…
でも、二人きりになれたお陰で、今度こそきちんと言える。
「さようなら」…と。
「あの…」
「あの…」
二人の言葉が重なった。
でも、彼は私の次の言葉を待たず、口を開いた。
「もう暫く、こっちに居るんだ。
また…会えないかな」
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