永く青い季節 〜十年愛〜


エレベーターを待つこともできず、非常階段を駆け降りる。

涙が溢れ来て、泣きながらがむしゃらに駆け降りたので、途中でむせ返るように咳込んだ。

それでも、止まらずに駆け降りる。
何も考える余裕がなかったので仕方がないが、流石に7階からだったので、ロビーに辿り着いた時には息が上がり、呼吸が乱れて頭もクラクラした。



ロビーの椅子に崩れるように座り込んだ私の前に、エレベーターのドアが開き出て来た彼女が近づいて来た。
涙でぼやけていても、やはり綺麗な人だと思った。
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