元帥閣下は勲章よりも男装花嫁を所望する
「心配するな。市民の前にはヴェルナー艦隊が盾になっている」
市民を道具として使うようなことをレオンハルト様が許すわけがないのをわかっていて、ライナーさんが言う。
「これは革命だ。もう引けないぜ、元帥閣下!」
バズーカの砲弾が放たれる。それは兵士たちの背後の壁を崩した。
「来い! 広い場所じゃ不利だ」
ライナーさんに導かれ、階段を上がっていく。無事な兵士たちが一本の列になって襲いかかる。
なるほど、これならほぼ一対一で戦える。
「仕方ない」
レオンハルト様は階段を上がり切り、そこにあった全身甲冑の置物の手から、長い槍を奪い取った。私はベルツ参謀からピストルを一本譲られた。
乱闘が始まった。レオンハルト様が槍を横に凪ぐと、よけようとした兵士たちがバランスを崩し、階段を転げ落ちていく。
階下から銃を乱射され、身を低くしては応戦するベルツ参謀。ライナーさんは向かってくる敵にバズーカを持ったまま飛び込んで蹴り倒し、着地と同時に立っている敵の足を払った。
私はレオンハルト様の傍から離れず、彼を撃とうと狙っている兵士を見極め、その手首を狙って次々に発射した。ピストルが床に沈む音が連続して響く。