夏椿~太陽の光を浴びて~
「あなた、誰?」


「俺は玲。キミは?」


「私…?沙羅。」


「沙羅か、いい名前だね。」


優しく笑う玲を見て不思議と涙が止まった。


「こんな時間に女の子が出歩くと危ないよ?」


「心配してくれてありがとう。でも、帰りを待ってる親も居場所もないの。」


「そっか。…じゃあ俺ん家来る?」

とても優しげな瞳で真っ直ぐ目を見られて思わずそらしてしまった。



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