夏椿~太陽の光を浴びて~
普段なら見知らぬ人と話したりしないし、ついて行こうなんて1ミリも思う訳ない。


でも、本能的に何かを感じてしまった。


今はこの感情の名前なんてわからないけど。


「…いいの?見知らぬ子を家に入れても。」


「いいよ。俺も1人だし。まあ、沙羅が良いならだけど。」


「…ありがとう。」


「うん。ついといで。」


黙ってうなづいて玲について行った。


玲の家に着くまでの間、玲は私のことを無理やり聞くことはなかった。


たまに私の方を見て歩く速さを調節してくれるだけだった。


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