夏椿~太陽の光を浴びて~
だから私も玲のことをズケズケ聞いたりしなかった。


普段感じる苦痛な無言と違って全然つらくない無言の空間だった。



しばらくして玲のマンションに着いた。


「ここの5階だよ。」


「凄いね、大きい。」


「そんなことないよ。俺の父さんが家はいいものにしろって買ってくれたんだ。」


そう言って玲は慣れた手つきで鍵を開け、エレベーターに乗り、部屋まで連れて行ってくれた。


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