恋をもう一度
「ハル、席替えだってさ。早くクジ引いて来いよ。」

いつもつるんでいる中学からの友達、尚也に言われて席を立つ。
席替えはいつもあみだくじで行われた。

クジは学級委員が開き、座席表にまとめる。
高校に入学して初めての席替え。俺には絶対に近くの席になりたくない人がいた。

「結果出たよー。表見て机動かしてねー。」

女子の学級委員が黒板に座席表をはり、みんながそれを見に前に集まる。

「おい、見にいかないのか。もう貼ってあんだぞ。」

尚也に腕をひかれ黒板の前に立つ。俺は自分の名前を探すと同時に、彼女の名前を探した。

「春の後ろの席、碧さんじゃん」

いいなー、同じ中学の人の近くー。と、口をとがらせて尚也は机を動かすために戻っていく。
一方俺は座席表を見つめてため息をついた。
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