【完】こちら王宮学園生徒会執行部



「あ、あの」



「ん?」



「いつみも……

案外、こういうの、好きなの……?」



口から出たのは、自分でも何が言いたいのかわからないような問いかけ。

きょとん、とした彼は、そのあとくすりと笑って。



「知りたいなら、実際に体験して試すか?」



ゆるやかに抱き寄せてくるから、肩に顔をうずめる形のまま、固まってしまった。

実際に体験ってなに……っ!いや、ぜったいに後悔するから聞きたくないけども……!!



脳内ではちゃんと羞恥が突き動かされているのに、いつみを目の前にすると何も言えなくなる。

そんなわたしの反応をどう取ったのか、彼は動けないわたしを何の抵抗もなく抱き上げて。




「え、いつみ……?」



リビングの照明が落とされたかと思うと、連れて行かれるのはふたりの寝室。

ベッドに降ろされてようやく「待っ……」と制止の声を上げたけれど、時すでに遅し。



「待てない」



たしなめるように言われて、ドキッとしてしまう。

その瞬間に深くくちづけられて、熱かった全身がさらに熱を上げた。



熱くて、溶けそうになる。

……ううん、ちがう、溶かされてしまう。



「っ……」



いつみに触れられるたび、くちびるから漏れる声は糖度を増して。

太ももを撫でる手の感触で、ベビードールを着てしまったことを思い出したけれど。



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