【完】こちら王宮学園生徒会執行部
えええ。
……それはそれで気まずいと思うんだけど。
あれ?
でもいくみさんって、いつみの5歳年上のはず。……ということは、必然的に。
「年上ばっかり……?」
「………」
疑るわたしに、「そうだな」と答える彼。
バレてしまったから開き直ったのか、めずらしく否定する気もないらしい。
「年上好きなの?」
そしてここぞとばかりに、ぐいぐい質問攻めにするわたし。
そうすれば彼は「そういうわけじゃねえよ」と言いながら、空いた方の手でわたしの頭を撫でて。
「まあ、年下相手にしたのはお前だけだけどな」
「……なんだろう素直に喜べない」
そんなふざけた会話をしながら、たどり着いたのは。
真っ黒の壁……かと思いきや、横につながっているらしい建物。
近くで見ればどうやら3つのお店らしく、それぞれ左側から紫、ゴールド、ピンクのラインがドアを囲んでいる。
そしてそのうちの右側、白文字で「k」と書かれているピンクのラインのドアを開けた彼。
「わぁ……」
思わず感嘆の声を漏らしたのは、薄暗い扉の向こうで「いらっしゃいませ」と男性が迎えてくれたからで。
わたしを一瞬ちらりと一瞥した男性に、いつみが何やら小さなカードのようなものを渡す。
それを見て何かを納得したようで、彼は廊下の奥へとわたしたちを案内してくれて。
「こちらです」と通されたのは、個室らしかった。