【完】こちら王宮学園生徒会執行部



今回は我慢して欲しい、と。

彼はわたしにそう言って、一度リナさんと部屋を出ていった。それから戻ってきたのはリナさんだけで、彼は甘く目を細めてみせる。



「ちょっとお嬢たちの相手したら戻ってくるよ」



「、」



「向こう側が、そうやってお嬢たちから情報提供を求めてるなら。

同じ方法で情報を聞き出すのが、いちばん有効的でしょ?」



「……ああ、」



なるほど。

つまり彼はいま、お客として店に入っているのか。



「不快な思いさせたくねえけど、我慢して欲しい」って、そういうことか。

……やましい感情があるわけじゃないってわかってるんだから、別に言わなくたっていいのに。




「それにしても、意外だな。

よっぽど会わせたくない様子だったから強引な方法で南々瀬ちゃんを連れてきてもらったけど、」



「………」



「特別美人ってわけでもないよね」



……ん? あれ?



「幼い頃からいくみさんを見て育ってきてるし、放っておいても自分に自信のある美人しか寄ってこない。

だからてっきり、いつみの彼女は相当美人な子になるのかなって思ってたのに」



ちょっと残念、と。

つぶやきながら、ポケットからタバコを取り出す彼。……ちょっと待って。え?



「ああ、俺のキャラ違うと思ってるでしょ?

でもこっちが本性っていうか、割とずけずけもの言っちゃう方なんだよね」



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