【完】こちら王宮学園生徒会執行部
「とりあえず、
縛られてる理由を聞いてもいい……?」
「僕が朝おりてきたら、既に彼がいたんですよ。
でもここに入ったってことは不法侵入に値するので、とりあえず莉央さんにどうするか相談したんですけど、南々先輩が来るまで縛っておけって」
「……なるほど。
で、そもそも茉文はどうしてここにいるの」
立ち上がって、不服ながらも彼のロープを解く。
そうすればなぜか満面の笑みで振り返った彼は。
「南々瀬になら縛られてもいいよ?
もしかして南々瀬ってそういう性癖持って、」
「縛るどころか絞殺しちゃったらごめんね?」
「わーお、激しいね南々瀬」
……うん、もうね、蹴ってもいいと思う。
そろそろわたし怒ってもいいと思うの。
「わたしは、
なんでいるの?って聞いただけなんだけど」
「会いたかったから?」
「どうせ今日来る予定だったんでしょう?
っていうかどうやってここに侵入したの」
「セキュリティのプログラムを、
パソコンでちょこっと弄れば簡単に入れたよ?」
「ねえそれ犯罪だって知ってた?」
しゅるっとロープを解いて、ため息をつく。
ロープがゆるんだことで自由になった茉文が抱きついてきて、文句を言おうと口を開きかけた時。