【完】こちら王宮学園生徒会執行部
「そういうことって……
いつみ、一体なにしたの……?」
『そもそもこの計画から、お前やお前の両親、八王子、珠王、柴崎が逃れようとするのが間違いなんだよ。
……それなら、計画ごと根絶やしにしたほうが早い』
「な……っ」
まさか。……まさか、この人。
そのために、政界の官僚たちを逮捕させようと?
「そのために俺に警察へのツテが欲しいって連絡してきたんですか。
……というか、どうやって揺すったんですか?」
『リナからもらった情報だよ』
リナさんから、もらった情報。
……あれって、わたしの名前がキャバクラで出てるだとか、そういう類のものじゃなかったっけ。
『南々瀬の名前が『ask』で出たことを聞いたとき、おかしいと思ったんだよ。
南々瀬の居場所ぐらいすぐに特定できるのに、なぜかキャバクラで、南々瀬の居場所を探ろうとしてた』
「……ああ、
俺もそれはいつみから聞いたとき思った」
『逆の理由で考えればすぐに分かった。
……"誰か"に気づかれたら困るからだ』
「………」
『主に前回の件……珠王の実験棟を爆破させたときに関わった人間に、南々瀬を探ってるのがバレるのを避けた。
それに気づいて、俺はリナにある指示を出しておいた。……逆手に取れ、ってな』
逆手に取る……つまり、それって。
『何も知らないキャバ嬢たちに、政界の人間の情報を直接引き出させた。
……おかげで、スキャンダラスなネタは十分俺の手元に集まったよ』