【完】こちら王宮学園生徒会執行部
「次別れるって言い出したら赦さねえからな」
「言わないってば……
というか、別れるとかいう話に気を取られて忘れてたけど、わたしいつみに怒ってるのよ」
「何でお前が怒ってんだよ」
「わたしに黙って危ないことしたからでしょう!?
政界の官僚を直接脅すなんて、何かあったらどうする気だったの!?いくら警察やマスコミに情報を流して、後ろに珠王がついてても、それこそ、ほんとに、何かあったら……」
あ、だめだ、泣きそう。
不安と安堵で、今日はずっと情緒不安定だ。
「何かあったら、わたし……」
ぎゅっと、手を握り込む。
彼が、愛を誓ってくれた証拠。……永遠を、わたしに約束してくれたんだから。
「この先ずっと、
ひとりで生きていかなきゃいけじゃない……」
「、」
「ひとりにしないで」
ずっと一緒にいてもらったって、バチは当たらないでしょう?
今度はわたしが彼の背中に腕を回して強く抱きつけば、いつみは何か考えるような顔をしてから、わたしを抱きしめ返して頭を撫でてくれた。
「……、確かに俺も悪かった。
でもお前も柴崎のために勝手なことしたから、今回はお互い様な」
「……うん」
胸に顔をうずめて、目を閉じる。
「似た者同士……」と夕陽がつぶやくのが聞こえたけど、聞こえなかったフリをして、抱きつく腕の力を強めた。