【完】こちら王宮学園生徒会執行部
え、そうなの?
確かに「パーティーで会ったことがある」とは言ってたけど。え、もしかして仲良いの?
「……柴崎は今回、政界の人間の言いなりになるしかなかった。
ただし、お前のことを好きだっていうのも事実だからな」
「………」
「お前が俺と付き合ってることを、あいつはちゃんと知ってた。
だから、お前に幸せになって欲しかったんだと」
それじゃあ、茉文は、はじめから。
……わたしのことを、ずっと、想って。
「色々事情があって、お互いに距離があるように見えたかもしれねえが、そういう理由だ。
お前のバッジを渡してくれたのも柴崎だしな」
ふっとため息をついたいつみが、手のひらの上で金のバッジを転がす。
それから、「それに」と補足するように言葉を続けた。
「そもそも無理な話だったんだよ」
「……なにが?」
「あいつ、お前と同い年だろうが。
でもあいつの誕生日は12月で、国籍を日本に置いてる。……つまりどっちみち、あと半年、あいつは絶対に結婚できなかった」
「あ、」
そうか。わたしは17歳でも法律上結婚できるけど、茉文はまだ結婚できないのか。
そういえばいつみも前に、それに似たことを言っていた気がする。
「なーんか。
結局、政界も焦りすぎて穴だらけの計画通したって感じだな。その結果、いつみに返り討ちにされて」
「……中心を潰したからな。
さすがにもう、この計画も通らねえだろ」