【完】こちら王宮学園生徒会執行部
まあ急に変な扱いされても困るけど。
なんて思いながら、なぜか兄貴やいつみまで入ってるグループに、今のところ空いている日を返信する。もちろんナナは入ってないグループだ。
……でもさ、これってナナに予定あったら意味なくない?
生徒会の仕事は後回しにするとしても、来年の4月から社長になるから忙しいって言ってたじゃん。
夏が近づくにつれて、かなり忙しそうにしてんじゃん。
いつみと一緒に住んでるから、無理してるとかそういうことはないだろうけど。
「ふーん?
なら、ナナ個人の問題ってこと?」
「……そうだけど」
「そっかそっか。やっぱりかわいいねナナ」
「……やっぱ馬鹿にしてるでしょ?」
その笑み。馬鹿にしてるとしか思えない。
恋情を吹っ切ると決めた時にあけたピアスホール。……その行動もまた、結局、ナナ中心なわけだけど。
「これさ、ナナの本心でしょ?」
リーダーに言い返そうと口を開いたタイミングで、メンバーが邪魔してくる。
だけど文句も言わずに、『Marry』とタイトルの入れられたその曲の歌詞を、じっと見つめて。
「……そうだよ」
肯定しながら、我ながら激甘だなと眉間を寄せる。
耳に埋め込んだピアスは、兄貴からの誕生日プレゼント。
……俺がいままでピアスあけてないことを知っていて嫌がらせしてきたんだろうけど、思い切ってあけてやった。
べつにうれしかったとは言ってないけど、うれしくないとも言ってないよ。
「俺の本心。……なんか文句ある?」