【完】こちら王宮学園生徒会執行部



つらつら頭の中で考えていたら、また御園さんとミラー越しに目が合う。

困ってるだろうからと苦笑するわたしに、彼が口を開いたかと思えば。



「僕ならこんなかわいいお嫁さん、女同士で旅行になんて行かせませんけど」



……うん? え?



「あら。南々瀬ちゃん相変わらずモテるわね」



いま、御園さんなんて言った?

なんか。……しれっと口説かれなかった?



「まあ、さすがに揉め事になっても困るので既婚者に手は出しませんけど」



にっこり。御園さんが微笑みながらそう言う。

……その発言がどことなく胡散臭く感じてしまうのはどうしてなんだろう。




「明日のご帰宅まで、どうぞよろしくお願い致します」



「あ、ハイ……お願いします」



「もう間もなく到着しますよ」



警戒心MAXのわたしと、ニコニコのいくみさん。

……なんだか。



「見て南々瀬ちゃん!海見えてる!」



「あ、ほんとだ。きれいですね」



波乱万丈の予感が、するんですけど。



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