【完】こちら王宮学園生徒会執行部
珍しく動揺したように、その頬が赤く染まる。
それは今、俺が彼女の頬にくちづけたからで。
「真っ赤」
「っ、いきなりそんなことされたら驚くじゃない」
「知ってるけど?」
たぶん後で椛や莉央、夕陽あたりには散々良いネタにされるだろうけど。
触れたくなるほど愛おしいと思ってしまったんだから仕方ない。
「……愛してるよ」
小さく囁いたそれも彼女には届いたようで、瞳を潤ませる彼女。
腰に腕を回して抱き寄せたら、耳元で同じ言葉を返してくれた。
「オイオイ、彼女やら嫁やらいるヤツ勝ち組じゃねえかよ~。
莉央ちゃん、俺ら独り身さみしくねえ?」
「おー。さみしーな」
「莉央は、ひとりでも、じぶんのたのしいことしてるもんね」
「ルアくん、その言い方だと莉央くんちょっと可哀想な感じ出てるよ」
「っていうか、夕陽どこ行ったんですか?」
「っ、ちょっと助けてくんないかな……!?」
がやがや言ってんなと思えば、夕陽のヘルプを求める声。
そっといくみを離してそっちに視線をやれば、夕陽が報道陣にがっつりつかまっているところで。仕方ねえなとため息をつきながら、夕陽の方へと足を向けた。