【完】こちら王宮学園生徒会執行部
彼らがここに来ていることを知った瞬間、驚いたし怒られると思ったけど、何より嬉しかった。
いつみと一緒に沖縄まで来られたことも、わたしを心配して着いてきてくれたという事実も。
「……もう勝手に行くなよ」
「うん」
「夕帆とも、お前らのことであんま縛るのは良くねえなって話した。
……まあ相変わらず、心配はするだろうけどな」
「……縛られてるなんて思ってないわよ」
そんな窮屈な思いはしてない。
いくみさんだって、今回は多少のイタズラ心でふたりに内緒にしていただけで、大事にされていることはちゃんと分かっていて。
海で遊んでいた時、いくみさんが夕帆先輩のことを嬉しそうに呼んでたのを聞いて、本当に幸せそうだと思った。
長年の想いがようやく通じ合ったのは、いつみだけじゃなくてふたりも同じこと。
「分かったならいい」
「うん。ごめんね」
「ああ。……でも逃がしてはやらねえよ?」
「え?」
顔を上げれば、ゆったり口角を上げるいつみの姿。
余裕げなその笑みに、なぜか嫌な予感がする。
「言っただろ。"お仕置き"だって」
「んん……!」