【完】こちら王宮学園生徒会執行部
・午前零時の密談
◆ Side椛
「南々瀬ちゃん寝たの?」
昼間よりも、圧倒的に静かになった部屋の中。
とはいえ、人数は変わっていない。
夕さんの言葉に顔を上げれば、さっきそこのソファで眠ってしまった彼女を部屋に運んで戻ってきたいっちゃんの姿がある。
「ああ」と一言返してソファに腰掛ける姿が、どことなくいっちゃんが高校生だった頃を思い出させた。
……まあまだ卒業して1ヶ月程度なんだから、
当然と言われれば当然なんだけど。
「お前ら、それぞれ予定は大丈夫なのか?」
「俺は今日親いるから、
瑠璃も翡翠も任せといて大丈夫だよ〜」
なんとなく、今日は"こう"なる気がしてた。
「夕陽は?」
「10時からメンバーとトレーニングだけど。
……朝弱くないからいいよ別に」
「……そうか」
時計を見れば、午前0時。
長い夜になりそうだなと視線を隣にやれば、呉羽がふぁっと欠伸を漏らした。
「眠いなら寝てていいよ〜、呉羽」
「ううん、大丈夫だよ」
手を伸ばして、弟の髪を撫でる。
すこし撫でただけで離して、「それで」と話題を切り出せば。ほんのすこし、空気が張り詰めた。