【完】こちら王宮学園生徒会執行部
白いシーツの波の上で、赤く色づいて。
隠しきれない声を漏らしながらもまぶたを伏せるその姿はひどく悩ましげに見える。
「っ……、い、つみ」
いつもよりも早い"お強請り"。
そのせいで口元に笑みが浮かぶけれど、余裕のない南々瀬がそれに気づくことはなく。背中に回された腕が爪痕を残す。
南々瀬のこんな姿は、俺以外の誰も知らない。
見せたくもねえし、微塵も教えたくない。
「……っ」
「力抜け、南々瀬」
絡んだ指の隙間で、指輪の透明な石が光る。
動きによって暗い部屋の中で見えなくなったり、ダウンライトの明かりを反射して煌めいたり。
「も……、だめ、」
「だめ?
そんなこと、微塵も思ってねえくせに」
あえて加虐的な囁きを耳に流し込めば、熱を持って火照った頬が、さらに赤く色づく。
身を寄せるたびに、つけているネックレスのトップが愛でるように彼女の肌を撫でた。
「っ、ふ、」
本能と理性を上手く制御できなくなっているのか、ぽろぽろと南々瀬の瞳から涙が落ちる。
声にも涙が混じるほど追い詰められているというのに。
「っ、すきって……言っ、て、」
……ああ、クソ、かわいいな。