【完】こちら王宮学園生徒会執行部
「それで……まあ、好かれてて。
向こうはご両親の都合で海外飛び回ってるので、わたしが留学を終える前にまた違う国に引っ越してしまったんですけど、」
その時に「いつか迎えに来るからね」と本気で赤い薔薇が軽く3桁ある花束を渡された。
ありえない。そして、迎えに来てもらう気もない。
ちなみにその花束はもらったって困るから、その場で即解体。女の子たちに数本ずつプレゼントした。
人生で一番迷惑なプレゼントをくれた人は、ぶっちりぎりのダントツで茉文だ。
「いまはニューヨークにいるみたいで……
その学校と王学が来月異国交流として一定数の生徒と1週間交流することになってるんですけど、」
「ああ……
夕帆が言ってたアレがその男なのか」
「好かれてるのはいくみから聞いてたけど、聞く限りかなりの変じ……変態だったな。
でも好かれてんのは本当なんだろ?どうすんの」
「こっちはかなり迷惑してるんですけどね……
どこからかわたしが王学にいることを聞きつけて異国交流とか持ち出したんだと思いますよ」
そういえば異国交流の相手校は、アメリカの有名なお金持ち学校だった。
異国交流、なんて生徒が言い出せば、学校側は喜んでそれに手を貸すはず。なんて迷惑な男なんだ。
「その仕事、何かするように言われてるのか?」
「生徒会長として、軽く挨拶は任されてます。
校舎の案内は教養科の生徒で、授業は特進科で受けるらしいです。……なのでわたしは生徒会棟に篭って授業には出ません」
なぜなら茉文が授業を受けるのはわたしと莉央のクラスだからだ。
絶対面倒なことになるのがわかってる。
「まあ、その判断が良いな。
……変なことされたら、ちゃんと言えよ?」
「変なことしかされないんだけど」
「……、常識の範囲内で」