【完】こちら王宮学園生徒会執行部
あ、いつみが困ってる。
……そりゃそうよね。みんなある程度フリーダムだけど、さすがにこんなタイプは周りにいないわよね。
ここまで度の過ぎた変態が周りに"いる"って言われたら、それはそれで嫌だけど。
……なんて、静かに分析していたら。
「なんか、リナのこと思い出すな」
ぽつりと零した夕帆先輩に、
いつみが至極嫌そうな顔をした。
「リナはボディタッチ激しめな変態なんだよ。
まあ趣味が女装ってところから既に変態なのはわかると思うけど」
「………」
夕帆先輩の言葉で、ふつふつと想像してみる。
女装してて、ボディタッチ激しめ……?
「なん、か……犯罪臭が、」
「まあボディタッチされる側も男なんだけど」
「すみません夕帆先輩それ余計にダメです」
女性にボディタッチ激しめなんてセクハラと取られかねないけど、男性に対してボディタッチ激しめって怖い……!
さすがにそれは女装してても許されない……!
「夕帆は大袈裟に言ってんだよ。
本人曰く、"筋肉フェチ"なんだと」
「そ。莉央がもし俺らと同い年だったら間違いなく餌食だったな。
筋肉フェチって言っても別にガタイの良さじゃなくて、どういう基準か知らねえけどいちばん好みはいつみなんだと」
相当ベタベタされていたらしい。
ケラケラ笑っている夕帆先輩を他所に、いつみはそれを思い出しているのか、げんなりしていた。