【完】こちら王宮学園生徒会執行部







「おはよー、ナナ」



「おはよ」



マネージャーが予定通り迎えに来てくれて、車に乗り込めばリーダーの姿がある。

どうやら今日は同じ車で事務所まで行くらしい。



「あれ、めずらし。朝から機嫌良いじゃん」



「俺はいつでも機嫌良いよ」



「ファンの子の前では、でしょ?」



……まあね。

朝は特にテンション低いし機嫌も悪い。何度空気を険悪にしてリーダーがなだめてくれたことか。




「南々瀬ちゃんと、いいことあった?」



「……違うけど」



「ああ、じゃあお兄さんの方か」



「………」



見透かしたようなその笑みが憎たらしい。

「なんで兄貴?」とできるだけそっけなく言ってみれば、彼はチェリーブラウンに染めた俺の髪を優しく撫でた。



「ん?普段、南々瀬ちゃんかお兄さんの文句しか言ってないでしょ?

……まあただのツンデレだから、大好きなのは知ってるけど」



「ツンデレ言うな」



< 94 / 276 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop