【完】こちら王宮学園生徒会執行部
◆
「おはよー、ナナ」
「おはよ」
マネージャーが予定通り迎えに来てくれて、車に乗り込めばリーダーの姿がある。
どうやら今日は同じ車で事務所まで行くらしい。
「あれ、めずらし。朝から機嫌良いじゃん」
「俺はいつでも機嫌良いよ」
「ファンの子の前では、でしょ?」
……まあね。
朝は特にテンション低いし機嫌も悪い。何度空気を険悪にしてリーダーがなだめてくれたことか。
「南々瀬ちゃんと、いいことあった?」
「……違うけど」
「ああ、じゃあお兄さんの方か」
「………」
見透かしたようなその笑みが憎たらしい。
「なんで兄貴?」とできるだけそっけなく言ってみれば、彼はチェリーブラウンに染めた俺の髪を優しく撫でた。
「ん?普段、南々瀬ちゃんかお兄さんの文句しか言ってないでしょ?
……まあただのツンデレだから、大好きなのは知ってるけど」
「ツンデレ言うな」