お願いドクター、毒よりも愛を囁いて
電気くらい点ければ?とツッコミたくなったけど、それよりも今言われた言葉がショック過ぎて、そんなに太ってないもん…と落ち込んだ。



「あったぞ!」


あーそうかい。


処置台の引き出しの中から湿布を見つけたらしい。

嬉しそうに近寄ってくるドクターを冷めた目線で見遣りながら、この人は外科医だったよねと考えた。


「ちょっと足触るぞ」


その前に電気は?


「痛いけど暴れんなよ」


だから構えさせないでってば。



「……い…ったぁー!」


ぎゅうと押さないで、ぎゅうっと。


「ここか」


「だから痛いって!」


痛みの箇所を判定するかの様に周辺も触る。
ドクターにしては加減してるつもりだろうけど、私は奥歯を噛み締めるほどに痛くて。


「ギブ!ギブです!」


もういいから早く湿布を。


「大袈裟な奴」


呆れ顔で呟き、一番悶絶した所にヒヤリと冷たい湿布が貼られた。



「本当にあんたは時間外の治療ばっかさせるな」


だったら連れて来なければ良かったじゃない。


「……すみません…」


ホントはあんまりそう思ってもないけど。


< 112 / 203 >

この作品をシェア

pagetop