お願いドクター、毒よりも愛を囁いて
ご親切にどうも、と言いながら前に進もうとした。
するとドクターの左手が動き、それを止める様な仕草をした。
「俺が送るから待っとけ」
そう言うのが上から聞こえ、え?と思いつつ顔を上げる。
正面を向いてる女性の顔が視界に入り、その人が少し驚いたように目を見開いた。
「車取ってくるから」
足を一歩前に出した彼に女性が話しかけようとしてる。
それを見たら胸が疼いて、送られてはいけない様な気になった。
「先生!」
声を上げて止め、振り向く彼を見遣る。
顔を見たら切ない気持ちを覚え、それでも気を取り直して明るく言った。
「私なら大丈夫です!ホントに痛くないし、ゆっくり歩いて帰ります!」
どうせバス停までは直ぐだ。
その後は歩くと言っても大した距離でもない。
「手当てをして頂いてありがとうございました。お礼はまた伺いますので」
お辞儀をして、そのままの姿勢で脇を抜けた。
正面玄関の横にある従業員用のドアから入ってきたからそっちに向かって歩き、スリッパを棚に戻してるとドクターが来た。
するとドクターの左手が動き、それを止める様な仕草をした。
「俺が送るから待っとけ」
そう言うのが上から聞こえ、え?と思いつつ顔を上げる。
正面を向いてる女性の顔が視界に入り、その人が少し驚いたように目を見開いた。
「車取ってくるから」
足を一歩前に出した彼に女性が話しかけようとしてる。
それを見たら胸が疼いて、送られてはいけない様な気になった。
「先生!」
声を上げて止め、振り向く彼を見遣る。
顔を見たら切ない気持ちを覚え、それでも気を取り直して明るく言った。
「私なら大丈夫です!ホントに痛くないし、ゆっくり歩いて帰ります!」
どうせバス停までは直ぐだ。
その後は歩くと言っても大した距離でもない。
「手当てをして頂いてありがとうございました。お礼はまた伺いますので」
お辞儀をして、そのままの姿勢で脇を抜けた。
正面玄関の横にある従業員用のドアから入ってきたからそっちに向かって歩き、スリッパを棚に戻してるとドクターが来た。