お願いドクター、毒よりも愛を囁いて
「何よ波南、またケガしたの?」


「いくら彼氏がドクターだからってやり過ぎでしょ!?」


先輩も柑奈もディスり、笑い転げる。
好きに笑えば?とさすがに開き直った。


「今度は脛を打ったって?…見せてご覧。あーあ、青くなってるじゃない」


村田さんは注意力が散漫だからよと言い切り、それにはぐうの音も出せずに俯く。


「午前中は文具店を回ってリサーチをしようかと思ってたのに」


今日は無理ねーと言われ、面目もありません…と項垂れる。
デスクワークでもしてなさいと任され、黙々とやり始めたけど集中力も途切れがち。


頭の中ではドクターとエリナさんのことがいっぱいで、どうして病院に彼女がいたんだろうってことが疑問に思えてきて。



(ああ……もしかして既に同居してるとか?)


結婚はまだにしても、既に一緒に住んでるというのはあり得る。昨日も連絡すると部長に言ってたし、オペの後で一緒に家まで帰ったのかも。



「なんだ…そうか…」


ボソッと呟けば、パソコン操作をしてた柑奈が何?と振り向く。


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