お願いドクター、毒よりも愛を囁いて
(今回は最初からフラれて当然みたいな人が相手だけど…)


例えば、あの美女二人がドクターとは恋人でも彼女でもないにしろ、ああいう美人が隣に立ってても至極当然みたいな人だしな。


地位もあるし、お金もあるし、イケメンだしぃ…と、あげればキリのない程の好条件ばかりが揃ってる。


(その点、私は何も無い…)


ツキにも見放されて、何をやってもダメムード満載な日々を過ごしてる。


(きっと告ったところでアウトオブ眼中なんだよね。「でしょうね〜」で終わるんだろうけど、黙ってても気持ちは伝わらないし……)


変なとこで前向きなんだ。
たまには黙って告られるのを待つとか、そういうのってどうも耐え難くて。


(とにかくあと少し頑張れば退勤時間だ。
今日は散々ツキの無い日だったけど、ドクターと会えばきっとツキも戻ってくる…筈っ!!)



根拠もないけどそう思って仕事に打ち込んだ。
パソコンが固まった分の仕事の遅れも取り戻し、やっとオフィスを出られると思ったのは午後八時前。



「ウッソー!何よ、この時間!!」


私のスマホ、早くも壊れたんじゃないの!?


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