お願いドクター、毒よりも愛を囁いて
しおらしく手を合わせると、明日は雪か!?とディスる。


(降る訳ないじゃん。でも、もしも降って足を滑らせたら、またケガをして病院へ行けるかもしれないな…)


ホントは滑らなくても行くことにはなってる。だけど、大きなケガをしてドクターに心配されたいと思った。

食べる直前には彼に気持ちを告白したいと考えてた。だけど今は、どっかへ飛んでしまってる。

意味もなく気落ちしてるとドクターが、気持ち悪いな…と呟いた。


「何だよ。腹でも痛いのか?」


こんな扱いばっかだ。
まるで子供みたいな感じ。


「何処も痛くないですよ」


話す気も起こらず返答した。
ドクターはムクれてる私に目を向け、理解出来ないといった感じで肩を竦める。


その後は会話は弾まずに車に乗った。
会計はドクターが済ませてくれて、お昼に続いてすみません…と謝った。



「いいよ、別に」


当然だろと言いたげなドクターを見ずに助手席のシートに身を沈める。
ベルトを締め、出発するのを待った……。



(あーあ…帰りたくないな……)


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