お願いドクター、毒よりも愛を囁いて
あの日、結局ドクターは私の部屋に泊まった。

同級生同士のライン上でのやり取りに対してお説教が始まると思ってた私は、彼を部屋に通したのはいいけどビクビクしていて__


「そんなの部屋に上げて貰う口実に決まってるだろ」


直ぐに真に受けるな、と怒られた。
それから靴を脱ぐと足元を掬われ、お姫様抱っこでベッドまで運んで行かれた……。


「せ…先生、私は足が……」


負傷中で…と言うのに組み敷かれ、間近に迫る彼の顔は真面目そうだけど微笑んでて。



「分かってる。無理はさせない」


そう言うとゆっくり唇を重ねてくる。


「あ、あの!シャワーを…」


「そんなの後でいい」


「で、でもぉ〜」


「もういいから黙れ!俺は気が短いんだ!」


知ってる。それは十分知ってるけどぉ〜!


ドクターは遠慮もなく私の唇を塞いでしまい、その溶ける様な甘さに抵抗する力すらも無くしていく___


「靖に言われてしまったけど、初めて見た時から細くて折れそうな足だと思ったんだ」


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