お願いドクター、毒よりも愛を囁いて
実に書き心地がいいから拘りの強い大人にはウケるだろうって。
今月の社長賞は村田さんかもな。だって発案者は村田さんだもんな」


君も補佐として良くやったと褒めてくる。
私はその言葉が耳に入らず、ハンマーで頭を叩かれたようなショックを感じて呆然とした。


「これから製造に入ると忙しくなるぞ。また村田さんを助けてやってくれよ」


ポン、と肩を叩かれて首を項垂れた。
応じた訳じゃなく、力尽きたんだ。


村田さんは、朝から営業職と一緒に店舗回りをしていていなかった。

だから、どうしてそういうことになったのか、その答えも聞けずに時間が過ぎてく。


(あれ程私の夢を応援するよ、と言ってくれてた筈なのに……)


どうしてここにきてその仕打ち?どうして、そういうことになったのに言わなかったの?


私が次々とツイてない事ばかりが続いてて気の毒になった?

それとも、どうせいつかはバレると思って、その時まで黙ってればいいと考えたの?


応援すると言ってたのはウソだったの?
あんなに私の拘りを認めてくれたのに、偽りだった?


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