気付けば、君の腕の中。


普通に凜くんが食べていたハンバーグを、箸で一口サイズに切って、あたしに食べさせようとしてきたのには驚いた。


ジェラートの一件で、既に食べ合いっこは「友達」ならば当たり前だと思ったのだろう。


それならば先に桃から…、と思ったのに、桃はとても穏やかな表情で見守っていた。


だからあたしは顔が赤くならないように、違うことを考えながら一口貰った。


すると、桃も食べ合いっこが普通だと思えたのか、自分から「一口、いいかな」なんて聞けていた。凄い進歩、よかった。




フードコートを後にすると、その後はジェットコースターに乗ったり、凜くんが吐きかけて介抱したり、てんやわんやの大騒ぎとなったが、それもいい思い出だ。



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