気付けば、君の腕の中。
…だから、あたしは忘れてしまったんだ。
今日が何のために集まったのか、あたしがどんな行動を取ればよかった、かなんて…。
「はー、いっぱい遊んだねえ。私、最後に観覧車に乗りたいなあ」
「あ! いいね! じゃあ…」
珍しくヒールのある靴を履いたので、明日は筋肉痛になるだろう。
実際、かかとのところを擦りむいたのか、ズキズキと痛みがある。
あたしの隣で、どんどん日が落ちる空を見上げていた凜くんと、不意に視線が重なった。
「…俺、絢華と観覧車に乗ってもいいかな?」