気付けば、君の腕の中。
…ゆ、幽霊的な何かがいそう。
両腕を摩りながら歩き進めると、小さな神社の前で子供が膝を抱えていた。
その姿は、前に見た凜くんとそっくりだ。
あたしが枯葉を踏んだ音に気づき、パッと顔を上げた。
「こ、こんにちは」
凜くんと同じ挨拶を交わしてしまった。
こ、こういうときに何て声をかけたらいいのか分からない。
目の前で瞬きを繰り返す白くんは、変な人だなって思ったのかな。
ゆっくりと腰を屈めて、白くんと視線を合わせた。
「寒く、ないですか?」