気付けば、君の腕の中。


こ、子供相手に敬語を使ってしまった…!


内心で「どうしよう」という気持ちでいっぱいになると、目の前で白くんが「…こんにちは」と小さな声で返してくれた。


思わず驚くと、白くんがそっぽを向いた。


「えっと…」

「さむい…にきまってる」

「そ、そうなんですね。じゃあ、これをどうぞ」



ぶっきらぼうな言い方に、子供らしいなと思いながらホットココアを差し出した。


しかし、白くんは受け取らない。

あたしが首を傾げると、また小さな声で「…子供っぽくていやだ」と口を尖らせる。


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