気付けば、君の腕の中。
…そっかあ、子供扱いが嫌な年頃なんだ。
だから、桃に何か優しくされても、素直に受け取れなかったのかな。
あたしはコンビニの袋から、戦隊モノのお菓子を取り出すと、白くんの前で封を切った。
「あー…あたし、あんまりこのカード欲しくなかったんだよね。どうしよう、捨てるの勿体無いや」
「!!」
きらきらとした瞳で、あたしの持っているお菓子を凝視する白くん。
「白くん、だよね。あたしいらないから、貰ってくれないかな?」
「…し、しょうがないから、もらう」
「ありがとう。白くんは大人だね」
ようやくお菓子を渡すことに成功したあたしは、思わず白くんの頭を撫でてしまった。