気付けば、君の腕の中。


家に帰ると、目が腫れていないか携帯で確認をする。


「え……」


玄関に並べられた靴を見て、あたしは携帯を落としかけた。

な、んで…。


何で、お父さんとお母さんの靴があるの?



急いで靴を脱ぎ捨てると、床に叩きつけられた靴を気にも留めず、リビングの扉を開いた。



「……絢華、帰ったんだな」



願わくは、昔のように笑い合う二人の姿が、そこに存在してほしかった。


肩を寄せ合って、テレビでものん気に観てほしかった-。


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