気付けば、君の腕の中。


嫌な予感がして、返信するのをためらった。


…最近、お姉ちゃんが帰ってこない日が続いていたけど、それと何か関係しているのかな。


新しく担任の先生になる人が入ってきたため、すぐに「分かった」とだけ返信をした。



あまり入学式の内容は覚えていない。

お姉ちゃんが何故、あたしを駅に呼ぶのか。

その理由が見当もつかず、早く会いたい気持ちでいっぱいだった。



学校が終わると、慌てて教室を飛び出す。

本当は奈々美と一緒に帰りたかったけど、お姉ちゃんが駅で待っているのだ。


さっき断りのメールを入れたから大丈夫だと思う…。


奈々美の性格からして、後で質問されるだろうな―、なんてこのときは考えていた。


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