気付けば、君の腕の中。
その紙をあたしに押し付けた白くんは、急に立ち上がった。
きょとんとしたあたしに、まるで宣戦布告でも言うかのように、ビシッと指差した。
「あしたから5時になったら、そこに書いてあるようちえんまでこい!」
「え、えっ」
「こなかったら、にどと、くちをきかねーかんな!!」
タタタッと走り去っていく白くんを、ただ呆然と見つめるしかなかった。
一人残されたあたしは、もう一度その紙に視線を向けて、頭を抱えた。
「ええええ……、どうしよう…」
ご丁寧に幼稚園の住所や電話番号、そして白くんの名前が書かれていた。
…これは、とてもじゃないけど断ることが出来ない雰囲気だ…。