気付けば、君の腕の中。
思わず身構えてしまうけど、五十嵐くんは気にせずにまた凜くんの席に座った。
「あ、え、っと…おはよう?」
「…おー」
「そ、それより! 何でいつも凜くんの席に座るの?」
「あー、面白いから」
「お、面白い…?」
がしがしと頭を掻き毟った五十嵐くんは、眠たそうに欠伸をして、あたしを見つめた。
「な、なんですか…?」
「こーんな平凡女のどこがいいんだか」
「なっ!??」
ギッと睨むと、五十嵐くんはあたしの頭を優しく撫でた。