気付けば、君の腕の中。


すぐさま振り返ると、優しげな笑みを浮かべた女性がじょうろを片手に持っていた。


「あ、え、と…白くんの、お手伝いに…」

「あら。一ノ瀬くんの?」

「は、はい」


淡いピンク色のエプロンを身にまとい、髪を一つに束ねた女性は、お母さんと同い年くらいだろうか。


そういえば…、白くんの苗字って桃と一緒だったんだ。

桃のお父さんの弟夫婦の息子さんだから、それもそうか…。


「お手伝いとは…?」


や、やっぱり不思議に思うよね…!

あたしも資格なんて持っていないのに、のこのこと幼稚園に来て、白くんに会えるなんて、普通は思わないよ…!


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