気付けば、君の腕の中。
肩を落としたあたしに、男の子はまたふわふわと笑った。
「ああ…、そういえばごめん」
「っえ? な、何が??」
身に覚えがない謝罪に首を傾げた。
男の子があたしに謝る理由なんてあっただろうか。
「君と初対面だったのに、急に変なこと言ったでしょ?
だから俺…、ちょっと君のこと避けてた」
そ、そうだったの…?
だから学校でもすれ違わなかったのかな…。
「べ、別に気にしてないよっ??
あ…興味ないとかじゃなくて、その…何か深い訳でもあったのかなあ、くらいだったから」
苦笑しながら言えば、男の子は目を丸くさせた。
「普通、気持ち悪い…とか思わないの?」
「お、思わない…けど」