気付けば、君の腕の中。
+ 優しい抱擁に雨が止んだ
部屋に入ると、清水さんの言うとおり、四人の園児が積み木をしたり、ブロックで遊んでいたり、窓際のところに座っていたりと、さまざまだ。
「あーっ、あやかおせえ!」
「ごめんね。それより白くん、何で麦わら帽子を被ってるの?」
ぷんぷんとあからさまに怒って見せた白くんはあたしの言葉に、すぐさま反応してくれた。
「これは母ちゃんがこのまえくれたんだ! なつにかぶりなさいって!」
「そ、そうなんだ。夏はまだなんじゃないのかな?」
「おれはなつがすきだから、一年中なつなんだ!」
「そっかあ…」
大事そうに麦わら帽子を抱える白くんを見て、胸がほっこりとした。