気付けば、君の腕の中。
俯いてしまった白くんと、それを寂しそうに見つめる、あたしの袖を引っ張った女の子。
…窓際にいる子がゆうきくんで、あと一人の女の子はちらちらとこっちの様子を伺っている。
「とりあえず、何かして遊ばない? いきなり踊ろうって言われても、興味ない子は上手く出来ないと思うからさ」
「ふーん。なにすんだよ?」
「よし…、踊るためにも体力をつけよう! あたし最近体力落ちちゃって…、大人の白くんなら手伝ってくれる?」
「しっかたねーなあ!」
何だか白くんの誘い方が分かった気がする。
あたしの手を掴んで「はやくそと!」と引っ張る姿は、初めて会ったときよりも生き生きとしていた。
「じゃあ、えっと…貴方もおいで」
もう一人の女の子にも手を伸ばすと、遠慮気味に手を握ってくれた。