気付けば、君の腕の中。


この幼稚園には運動場がないらしい。

清水さんに聞けば、近くに公園があるので、許可を貰ってそこで遊ぶことにした。


「あやかがおにだな! このおれはつかまえられねえよ!」

「白くんは物凄くやる気があるね…。貴方の名前、教えてくれる?」

「あ、わ、わたしはひな。あまりおにごっこしたことないから…、うまくできるかな」


ひなちゃんはもじもじと自分の人差し指を合わせて、不安そうに呟いた。


あたしは優しく彼女の頭を撫でると「大丈夫だよ」と笑いかける。


「鬼ごっこは上手いとか下手とかないから。
ひなちゃんが楽しめたらそれでいいんだよ」

「…うん、わかった!」


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