気付けば、君の腕の中。


そうして鬼ごっこを開始したけど、幼稚園児の体力を舐めていた…。


二人とも、物凄く足が速い。

そこまで広くない公園の中を、どれだけ走り回っても掴まえられないなんて…。


「あやかおっせーの!!」

「ふふふ」


にこにこと楽しそうに笑う姿を見ていたら、あたしのやる気が戻ってきた。


「よーし、次こそは!!」



しかし、何もない場所で滑って、そのまま泥水の中へ飛び込んでしまった。


「はははっ、あやかだっせえ!!」

「あはは、あやかおねえさん、だいじょうぶ?」


…うう、本当に情けない。

泥だらけになりながら、久しぶりにあたしは心の底から笑えた。


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