気付けば、君の腕の中。


暫く遊んでいると、あの二人がやってきた。

あちこちに視線を動かしながら、泥だらけのあたしに近づいて、二人揃って噴き出した。


「おねえさん、どろどろ!」

「やだあ、きたない!」

「…あはは、でも楽しいよ。こんな泥だらけになったの久しぶりだもん」


へらりと笑うと、二人は顔を見合わせて「あの」と呟いた。


「ぼ、ぼくたちも入れて、ほしい…んだけど」

「あ、あたしも…いいかな」


ちらりと白くんへ視線を動かせると、ニッと笑って「しかたねーな!」と言ってくれた。


「じゃあ鬼ごっこまたやる?」

「こんどはかくれんぼ! またあやかがおに!!」

「ええ、またあ?」


無邪気に笑う園児たちを見て、あたしまで楽しい気持ちになる。

そうだ―、白くんが前に言ったように「わらってればいいことある」ってそのとおりだ。


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