気付けば、君の腕の中。


幼稚園に戻ると、誰かが玄関のところで待っていた。

一番早くに気づいたのは、あたしの手を握っていたひなちゃんだった。


「おにいちゃん!」

「……あ? 何でバカ女がここにいんだよ」

「え、えええ…い、五十嵐くん…?」


両手をズボンのポケットに突っ込んで、制服を着崩す彼は、やはり五十嵐くんだった。


「うわ、お前泥だらけじゃねーか。きったねーの」

「えへへ。あのおねえちゃんとあそぶの、すっごくたのしかったよ」

「ふーん…」


そういえばあたしも制服だったっけ。

これ、洗い落とせるかなあ……。


「…はー、おいバカ女。それ服を乾かした後にブラシで汚れを落として、んで石鹸で洗った後、洗濯機に入れたら落ちる」

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