気付けば、君の腕の中。


そのときひなちゃんが戻ってきて、五十嵐くんの右手を握った。

「おにいちゃん、帰ろう!」

「…おー」

「じゃあおねえさん、しろくん、またね!」

「フン」


鼻で笑った白くんに苦笑しつつ、あたしは手を振った。

勿論五十嵐くんには視線を向けなかったけど。


「じゃあ、白くん。お迎えが来るまで、何かして遊ぼうか」

「あれ! ブロックであそびたい!」


ぐいぐいと手を引っ張る白くんを見て、少しだけ心を開いてくれたのかな、なんて思った。


「あやか、ブロックすらできねーのかよ!!」


…意外にも白くんはセンスがあって、ブロックで色んな形を作ったけど、あたしは積み上げることしか出来なかった。

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