気付けば、君の腕の中。


それから息抜きをするときは泥遊びではなく、折り紙やブロックで遊ぶようにした。

実は、ゆうきくんのお母さんから苦情が来たそうだ。

子供を泥だらけにするなんて、そりゃあ驚くだろうし、怒る人もいるだろう。


そう考えて室内で遊ぶと、ゆうきくんが申し訳なさそうにしていた。


「大丈夫だよ。今度は泥だらけにならないように気をつければ、お母さんも怒らないからさ」

「…ん」

「あ、ゆうきくん折り紙上手だね。どうやったらそんな綺麗に折れるの?」

「…あやかおねえさん、へた」

「うっ…」

「あ、いや、こせいてきで、ぼくは、いいとおもう…」


あたしが初めにフォローしていたつもりなのに、気づけばゆうきくんに気を使わせてしまった。


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